クラブ・委員会ひろば

古賀理事長と徳光会長の座談(6)
投稿者:広報委員会(昭和62年卒)
2013年5月28日(火)

会報「海原」37号で巻頭特集された古賀理事長と徳光会長の座談の全文を10回に分けて掲載いたします。こちらは第6回です。

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徳光
入社したての社員に聞くんです。日本テレビを選んだのはなぜというと大抵は、当たり障りのない「会社の良いところ」を言うだけです。でも、悲しい思い出を2つ言えというと個性が出る。この子の心のウチは豊かなんだなとか、これがこの人の人生の座標軸になってるんだななんてことがわかります。そういたことを経験するのが思春期の最高の時期、今理事長のおっしゃったことは大変に素晴らしいなと思います。

古賀
海城ぐらいの学校なら2つの峰を目指せと言われることがあります。
学力の峰、もうひとつは人間としての峰。今の海城ならできるんじゃないかなと思い目指してます。

徳光
そういった海城のOBが社会のリーダーになれば国が変わるんじゃないですか。

古賀
今はちょっと日本国に厚みがありません。

徳光
自分さえよければという価値観が知らず知らずのうちに人間を作りあげていったんでしょう。他人を思いやる気持ちは中学時代の会話やケンカや高校時代のお喋りで培われます。自分というものを持てるようになる
そして、滑稽なほど自分は大したものだと思うようになるし、つまらない人間だと焦ったりする。

古賀
自分は価値のあるものとおもっていますか、という質問に対し、アメリカ、中国、韓国の高校生の80~90%が自分は価値があると答えますが、日本は30数パーセント。残りは自分がつまんない人間だと思ってる。
これは私が考えるに、ほとんど小さい時からの日本の教育、人格形成にからむ深いものかもしれません。思い出すと学生時代の一番の課題は不得意科目の克服でした。駄目だやれと言われ続ける。でもアメリカとかだと何かできると褒める、まずできることをほめあげる。そうすると、その気になって他もできてきちゃう。日本は数学が苦手だからこれやれ、それがすんだらこっちを手当てしろ。
これは海城も同じでした。やり方を変えた方がいいんじゃないかなと思います。苦手を克服という課題がつぎつぎ来るから自信なくしたんでしょう。

徳光
平均点を取る人間を作りすぎたんですね。テレビ局もそう。
採用した人間の平均点が良いものだから、翌日に総務とか人事になってもいいやつをとっちゃう。昔はものを創る例えば音楽をやりたい人間は政治のことは何も知らなかった。ある意味いびつな育ち方かもしれませんが、そういった人たちの集合体だったからテレビは面白かった。
いまはおしなべて平均点の人たちばかりで、責任回避型人間ばかり。この20年くらいで人間を駄目にしたと思うのは責任の回避ですね。学力的に優秀な人材ほど自分の立場を主張せず、どこかしら逃げ道を作っておいて事に当たる。客観的な自分がいるんでしょうね。案の定バラエティばっかりになった。良い番組を見せるんでなくて、視聴者がテレビを点けてれば良い、点けっぱなしを目指している。こういう連中、頭良いけど、こういう連中が台頭してつまんなくなった。リスクを背負いたくないんだな。

(続く)

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古賀理事長と徳光会長の座談(1)
投稿者:広報委員会(昭和62年卒)
2013年5月24日(金)

会報「海原」37号で巻頭特集された古賀理事長と徳光会長の座談の全文を10回に分けて掲載いたします。紙面では掲載されなかった詳細をご覧いただけます。

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■学園OB会、同窓会としての海原会について■

古賀理事長
昨年の総会も盛り上がりましたね。徳光会長のおかげです。皆さんが張り切ってやっていらっしゃる、これも徳光効果だと言っています。

徳光会長
そんなことはありません。僕というより皆さん幹部の方たちがしっかりしているからです。

古賀
そう言う雰囲気がでています。皆がやりたくなるような。会長と引き受けて頂いた一番最初は最低限年2回だけ来てくださいと言うことでお願いしました。

徳光
実際年2回しか伺ってないんですけど・・古賀理事長の時代で、本学のグレードが上がったことで色々と変わりました。OBにとりましてはうれしいことで、もう一度学校を思い出すきっかけを年齢の離れた現役海城生が作ってくれました。それは理事長の建学のたまものだと・・。

古賀
良い教員がいて良い生徒ができる。それに良い先輩ですね。

徳光
ところでどこから話をして良いのか分かりませんが、今考えていますのは・・海原会の将来の姿なんですが、私は海原会自体は小さな拠点であればいいと思います。代わりに海原会の周りに分科会がたくさんあったら良いなと。その分科会をまとめる役、あるいは分科会の横のつながりを作っていくという形が出来上がればいいのかなと思います。全く異業種の人が集まってもなかなか、この間も川柳で言ったように、「久しぶり思いだせずにじゃやあまたな」という感じになってしまいます・

古賀
同じ卒業学校というだけのつながりしかない

徳光
いろいろなつながり方があります。士業会、メディア会などいろいろあると思う。医療関係でも結びつくと思う、中小企業というくくりでもいい。

古賀
地域でもいいですね。湘南海原会もあります。

徳光
ずっと茅ヶ崎に住んでいながらその存在を最近まで知らなくて、この間5,6年先輩に言われまして今度入らせてもらおうと思ってます。いずれにしましてもそういった何かしら共通点があるということで、海原会ができる、そうすると良い形での一つの塊としまして、その中に小さなタテ社会ヨコ社会なおかつ垣根を外したなんでも相談できる先輩がいて、齢を重ねた分だけ顔も広くなっていく、幅が広くなっていくと思います。
先輩が後輩に手を貸す 手を差し伸べる、海原会がそこを盛り上がるようにリードしていけたらいいですね。

(続く)

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古賀理事長と徳光会長の座談(2)
投稿者:広報委員会(昭和62年卒)
2013年5月24日(金)

会報「海原」37号で巻頭特集された古賀理事長と徳光会長の座談の全文を10回に分けて掲載いたします。こちらは第2回です。

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古賀
学校にとっての同窓会は宝物だと思っています。どこの学校にもそうなんですが、そこんとろをちゃんとした形で機能していない。もったいない使い方をしています。とかく、寄付金集めみたいなことしか動いていないにしかなってない感じです。OBはものすごい知識の源泉、経験者の集まりです。これをどう活かすかは大切な問題です。海城だって、まだまだ不十分です。私立はそこが力になるはずだと私は考えています、公立以上にね。

徳光
同業種とか同業線上にいる人、そういったつながりを持っている人じゃないですか。集まりますと話しやすい話が通じやすい。こないだの海原メディア会は業界の話だから繋がりやすい。進めていく中でメディアという冠が取れていくような形でさらに広がっていけばいい。現役の生徒さんは難しいけど海原会と父母会があってもいいのかなと思うのですがどうですか?

古賀
いいですね。高3年で卒業して、海城が大好きなのにもう関われないと残念だという親御さんは沢山います。そういう声もあり、PTAや保護者会ではなく後援会ができました。
せっかく仲よくなった保護者同士が、息子の卒業のあとも後援会のメンバーとして海城に関われてうれしいという声は聞きます。

徳光
我々の時代に一番信じられないのは親同士が仲良くなるなんて信じられないなぁ。海城に入学できたということは親にとって喜びで、親孝行なんですね。野球はもちろん、先日のメディア会でお邪魔したときにアメフトの試合にご父兄が応援に来られていて驚きました。総会のときの吹奏楽も最後列で息子の引退演奏を聴いて涙するお母様方にビックリ。
大きなお世話になっちゃいけないけど、海原会という小さなしっかりした中核があってそれが旨い具合にリードして海原父母会みたいなものを創って行けたらいいなと。

古賀
そうですね、海原会自体は大きくなくていい。本部自体は小さな政府にフランチャイズのごとく…。中央集権でなくていい。

徳光
衛星ですね。地方の時代みたいな形で、いくつもあちこちに。これは模索中でありますが・・そういった形で存在するのが良いと思います。事務局には会があることは連絡しておいて、そうすれば事務局でもこういった会がありますよと紹介できる。どんどん機構が大きくなると予算も増えていますが、各分科会ごとになれば会としての予算は削れていくと思います。そして何年かに一回海原会のそれぞれの会に声をかけて一堂に会するといった形になれば・・。

古賀
みんなが参加しやすいという形になっているのが理想ですよね。いま海原会の会員は33000人いるんです。毎年300~400人の卒業生が海原会員となり、亡くなる方もいらっしゃるから、だいたい横ばいの数字になります。そのくらいで動いてゆくのではないですか

徳光
3万人を一堂に会することはとても無理です。そんなことはしようと思いませんが。

(続く)

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古賀理事長と徳光会長の座談(3)
投稿者:広報委員会(昭和62年卒)
2013年5月24日(金)

会報「海原」37号で巻頭特集された古賀理事長と徳光会長の座談の全文を10回に分けて掲載いたします。こちらは第3回です。

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古賀
卒業生といってもいろんな方が居て・・・幸せな学校生活を送った人ばかりじゃないでしょう。でも、そういう人でもあるとき懐かしくなるんです。退学させられた人だって、ずいぶんたってから卒業してないけど卒業生にして同窓会に入れてくれなんて話が私の卒年ではありました。卒業して何十年かたつとチャンと戻ってきます。

徳光
私の卒年にもいます。「海城1年、××3年」なんてね。私たちの卒年では毎年ゴルフコンペをしているんですが、あるときからそいつが参加するようになり、一緒にラウンドするようになりました。うれしいみたいでね。「オレも海城なんだよ」なんて言って。声をかけてくれることがうれしい。
どうしてもOB会となりますと、高校卒業直後はもちろん大学に通っている時に、海原会に気持ちが向くのは難しことで、社会に出て10年以上経験してその中で、海原会はメリットもある何か和めるつながりも持てるんじゃないかな。卒業10年ぐらいの若者が入ってきてくれて、活動してくれればいい形で活性化するのではないかと思います。

古賀
その兆しがいま見えているんじゃないですか。私がずっとおつきあいさせてもらって
この近年本当に変わりました。若い人が熱心ですね。それに役員の皆さんも毎週土曜ごとに集まっている様子で、在学中より熱心?ですね。

徳光
よくやって頂いてます。同期の会が確実に増えてますものね。私たちの同期の輪もどんどん広がっていて、ゴルフから派生してやっている飲み会なんかも人数が増えまして、何人かは先生じゃないの?と間違えるヤツがいるんですが。
いい傾向じゃないかと思う こういうことが海原会の力になってそれが結集していきますと なにがでもかんでも結びつくのがいいかはわかりませんが、海原会の会員であるという意識を持つって頂けるとありがたいすね。

古賀
最終学歴でないから同窓かどうかなかなかわからない。でも思わぬところで海城OBがいたりして、面白いもんです。

徳光
ところで海原会は一番良い合議制で進められたら最高だなと思っているんですけど・・・十人十色でいろんなアイデアが出ます。テレビ局とは違いますね。この旗止まれでないからいろんな意見が出ます。其れなりに齢を重ねた人が合議を重ねると頭を使う、段々生き生きしてくる。会議の始まりと終わりとでは皆さんの顔色が違う陽に思います。話し合い、会議をすることがいいことだと思う。そういうことを通じて責任とか愛着というものに結びつくと思います。これはなるべく若い人たち、平成生まれの卒業生にも広がって行くと良いと思っています。それは理想だけど非現実的だとは思いません。
今は最先端で若い世代がパイプ役になって頂き世代で断層ができなければ良いのではないか。そういうものが構築されていくと良い形で機能するんじゃないかな。

(続く)

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古賀理事長と徳光会長の座談(4)
投稿者:広報委員会(昭和62年卒)
2013年5月24日(金)

会報「海原」37号で巻頭特集された古賀理事長と徳光会長の座談の全文を10回に分けて掲載いたします。こちらは第4回です。

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■大きく変わる学校教育■
■学力だけでなく人間力を育てる教育へ■

古賀
同窓会もそうですが、学校自体も変わってきています。日本の学校、教育が変わってきているともいえます。うちなんかはその最先端をいっている学校です。今までの日本の学校は40~50人が1つの教室で先生が教壇で板書して、生徒はそれを必死に書いて覚えるという一方的なものでした。これからは双方向です。生徒の中での情報交換も大切です。

徳光
生徒同士?ディベートのようなものですか。

古賀
それもありますが、生徒同士でいろんな意見を集めながら結論を出すことが大切になってきます。クリティカルシンキング、与えられたものをそのまま受け取るのでなく自分で考えて結論を出すことがこれからは必要です。日本では「ハウツー」の教育でした。
フィンランドではその前にWHYがつくんです。
WHY、なぜこうなんだろうと考えさせることでフィンランドの教育はドンドン伸びていきました。回り道みたいだけどハウツーの前になぜが必ずある。それをやって皆が考える方向になった。フィンランド語でミクシイミクシイ、つまり、なぜ?なぜ?です。
フィンランドには正解を教わる前にそれがあるのです。教えられる前になぜなんだろうと考えることをずーとやってきた。生徒間で。

ファシリティーターとしての先生が生徒を引っ張ると生徒の発想は広がり、どんなところに出ても自分で考えるようになります。日本の教育はそこが弱かった。
追いつけ追い越せの時は良かったが、トップになったらどうしたら良いかわからなくなったんです。日本の欠陥、特に教育で弱い。
それをみてうちがいろんなことやってきた我が校では何とかしなくてはいけないと考えて色々やってきました。東大に何人とかを競うのではなく考えることに重点を置く教育に大きく舵を切ったんです。

徳光
中高一貫にされたころからですか?

古賀
いや、その前。30年以上も前から延延とやってきた。そして、実現するためには中高一貫にしなくてはいけなかった。そういう順番です。
昔は中学2クラスで高校から10クラスが入ってきました。それを中学からの入学者をだんだん増やすようにしたんです。これからは中1~高3まで8クラスになります。今は経過的で高校生は7クラスなんですが、3年後には全て8クラスになります。
今の中学生を見ると入学直後はバラバラで個人主義というかまとまりがありません。
海城ではPA(プロジェクトアドベンチャー)というカリキュラムで仲間意識を醸成させています。とかく、「今の子どもにはサンマがない」という言い方をすることがあります。

徳光
サンマ?

古賀
3つの間です★ひまがない★すき間がない★仲間がいない
これは日本の教育の特徴で都会でも地方でも見られます。これを変えていこうと思っています。たとえばPA(プロジェクロアドベンチャー)というプログラムは自分たちで考えて、仲間と動いて、仲間の痛みを知り人間関係の大切さを知ることを目的としています。

徳光
授業でやるんですか?

古賀
いえ、合宿でやります
たとえば、道具を使わずに壁乗り越えるという課題があります。
一人が下で押し上げることになるのですが、グループがしっかりしないとみんなを押し上げた下の子が残ってしまいます。それをどうするか考えるんです。

(続く)

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リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。

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