同期会・同窓会ひろば
凄いぜ!ガッツマン溝口先輩
かねてこの「ひろば」等でも周知の溝口先輩が主宰される劇団ユビキタス・アジェンダの公演『裏の木戸は開いている』の初日・ファーストステージを観劇しました。(於:座・高円寺)
初日直前の舞台稽古中に、メインキャストのひとり・伊藤つかささんがケガをして休演となる緊急かつ非常事態のなか、われらが溝口さんはびくとも動ずることなく、開演前夜にカンテツで台本の大幅改変を決行。その意気に応える演者諸兄の大頑張りもあって、(なんと、伊藤さんの役そのものが登場人物から消える分を、ある男性俳優のセリフの大幅改増により完全カバー。その俳優氏も、いきなり何倍にも膨れ上がった自分担当のセリフを“聞いてないよ~”と泣くことなく、鬼の集中力で叩き込み、プロンプ一切なしで、平然と演じのけたのです。)演劇史に残る、『ガラスの仮面』にも出てこないような離れ業!はこうして溝口さんの鬼のようなリーダーシップの下、やってのけられたのです。
ある意味、この初日のステージワーク自体が、正味の芝居に勝るとも劣らぬ、大ドラマでした。
芝居そのものも、そんな「一夜城」的な背景があった事を露とも感じさせぬ完成度の高さ。また幕切れは、昔の市川崑さんの映画もかくや・・・という感じのさりげなく、ごく静かな(だからこそ余韻のふかい)エンディングがとてもセンス抜群で、とてもこの文面だけに書き尽くせぬ感動を、「無償の善意が周囲の人々にもたらす波紋」といった、極めて今日的テーマの中に表出していたと思います。
早川雪洲、岸田森・・・といった、海原会にも並み居る映画・演劇人たちの“人間山脈”のなかに、あらためて「溝口舜亮」という巨峰を強く意識させてもらった一夜でした。溝口さん、これからもご活躍を。(若造が、ナマ言ってすみません、お許し下さい!)
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。